本当の資産 2015 2 8

書名 2015最新版 カネはアンティーク・コインにぶちこめ
著者 加治 将一  祥伝社

 この本を読むと、
今、大人気の経済学者であるピケティ氏が主張する、
「格差是正のために資産課税をすべきである」という政策は、
無意味ではないかと思ってしまいます。
 私は、不思議に思っていたのです。
欧州では、数多くの戦乱や革命がありました。
にもかかわらず、今でも王侯貴族のような存在があります。
 その不思議を解明するものが、コインです。
この本によれば、1個で数億円もするコインが存在します。
 著者によれば、これでも表に出てきたコインであり、
さらに高価なコインが名家の間で代々引き継がれてきたのではないかというのです。
 ところで、歴史好きな人には、興味深いことが書いてあります。
それは、「コインは語る」ということです。
つまり、コインが東ドイツの崩壊を知らせていたのです。
 著者によれば、東ドイツが崩壊する1年くらい前から、
東ドイツから博物館クラスのコインが大量に出回り始めたそうです。
 そこで、コイン愛好家は、
「これは、東ドイツの崩壊が近い」と思ったそうです。
 さて、日本にも、美しいコインが存在します。
それが、「円銀」と呼ばれる1円銀貨です。
これは、明治政府が作ったものです。
 大きさは、100円硬貨と比較すると、
感覚的には、3倍の大きさがあり、
厚さも、2倍ぐらいあります。
 この「円銀」が見事なのは、
芸術的とも言える「龍の図」があることです。
 通常ならば、明治時代のコインですから、
明治天皇の肖像があるはずですが、
当時の人たちは、コインに天皇の肖像を描くのは「畏れ多い」と考えて、
明治天皇を象徴するものとして、「龍の図」を描いたと聞いたことがあります。
 この「円銀」は、数千円のものから数百万円のものまでありますので、
庶民から金持ちまで楽しめる趣味と言えるでしょう。
 ただし、注意が必要なのは、鑑定済みのコインを買うことです。
PCGS社やNGC社が鑑定していて、強固なプラスチックケースに入っています。
これは、保存のために腐食防止の意味もあります。
 銀は、そのままでは黒ずんできて、輝きが失われ、
「いぶし銀」になってしまいます。



















































































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